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岩手/ 田村種農場 田村和大さん「土地を知る」

岩手を代表とする「自然農 種取りの農家さん」といえば田村種農場さん。



農家サイトスタッフ しもやまくみです。 急に季節が秋へと移り変わった盛岡。気温がぐっと下がり先日までの空気感とはまったくことなります。 9月の中旬、ちょうど稲刈りのシーズン。岩手の田村種農場の田村和大さんの畑に伺ってまいりました。 2日後には稲刈りがはじまるとのことで、「その前にぜひ岩手の亀の尾1号が実っている田んぼを見てください!」とおっしゃっていただき、とても楽しみにしていました。

田村さんといえば、岩手の在来種を復活させた先駆けの方。 若手の自然農を営むの方たちの 大きくて優しい兄貴的(見た目も!)な存在。 わたしが田村さんとお会いしたのはかれこれ6年ぶりくらいでしょうか 当時と変わらず、大きくて優しい印象はそのままでした。


震災後、東京からUターンで岩手に戻り、それから10年かけて在来野菜をある程度集め、 始めは菜っ葉から、そして穀物を集めつつ、栽培方法も確立させた田村さん。 これからの先の10年についてお話を伺いました。



土を知ることが第一という田村さん。 盛岡は黒ボク土(くろぼくど)日本の土壌のひとつで北海道、東北、関東、九州に多くみられる土だそう。特徴をうかがったところ、これまたなかなか手ごわい土なのだとか。 そのため、この土で毎年作物が採れるのか、作物の順番、種付けの順番などひとつひとつをご自身の考えと昔の手記を比べ、答え合わせを繰り返しながらデータを残しているのだそう。つまり次の世代につながる資料。 (不思議とどんなに気候が変わっても、昔と今となんとなくあっているのだそうです) そして冷害に強い遺伝子をもった種だったのに、現在は作られていない作物や 消えてしまった種が多種にわたりあるそうで、それを自分の足で探し少しずつ分けてもらって増やしているのだそうです。 地質や大気も変わってはきているけれど、その土地の気候や風土に順応して育つ品種には意味がある、とおっしゃっていました。

次の世代にも岩手の土の特徴を伝えるべく日々データを残しています。


〈田村さんがかかげる目的〉 この生まれ育った盛岡羽場地区の、土質、水質を知り 昔の農民のたゆまる努力、血、汗などを歴史から学び 風土(自然、人間)が培って脈々と繋がってきた目には見えない1本の線を感じ取り、 岩手在来作物の育種、生産、販売をし、地域や支えてくれる方々への恩返しをする 〈目標〉

①風土の土質を知る ②黒ボク土でどのように作物が育つか ③田んぼと畑の「転換」で黒ボク土がどのように変化するか ④気候の変化と土の関係 ⑤作物の微性

岩手の昔ながらの栽培(薬を使わない)の農法は資料が少ないそうです 思うに、昔は無農薬が珍しいことではなく、あたりまえだっだから だと思います。

田村さんは農業のかたわら、岩手の農業や土地の歴史も深く研究しています。 口伝で伝えてくれた地元のおじいさん、おばあさんもどんどん高齢になってきていて いずれはお話も聞けなくなってしまう。 図書館の倉庫などから昔の古文書などを紐解いて資料をあつめ、 それと同時に日々の農作業とでデータを積み上げていく、田村さんの日々農に向き合っている日記のような資料が、次の世代に未来でどれだけの財産になるか、それを思うと本当に頭が下がる思いでした。 たくさん収穫し、たくさん販売するにはどうするか、ではなく、 その土地にあった品種を選び、種を植えたときに上手く育つような環境づくりを考える 田村さんは「自分としてどうしていくか、そこにフォーカスして行動していくと おのずとやり方が見えてくる」とおっしゃっていました。 なんだかとってもシンプル。

それをまず先に考えないと次に進まないっすよねー と笑顔でお話しされていたのがとても印象的でした。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2014年の軽井沢でのマーマーなフェスにもご参加くださり、種取りワークショップなど行ってくださった田村さん。 今年の11月13日に行われるマーマーなフェス2022の農家サイトのブースでも

田村さんの作った亀の尾1号のお米と大豆をご紹介させていただけることとなりました。 どうぞ楽しみにしていてください! 農家サイトスタッフ しもやまくみでした。

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